てくてく日和

Fiction&NonFiction 20代男一人暮らしの趣味ブログ

迷惑の価値

日本人にとって「人に迷惑をかけない、かけてはいけない」は当たり前の事。最近の親御さんは、露骨にこの言葉を使わないかもしれないが、人に迷惑をかけないと言われて、意を唱える人はいないだろう。

 

そんな日本人にとっては当たり前の事が、海外では少し異なって教えられていたりする。中には、嘘でしょと思うほどに、日本人の価値基準とは大きく異なる事も。

 

その中での今回の「人に迷惑をかけない」と言う言葉、インドでは「人に迷惑をかけるのは仕方がない。その代わりに人から迷惑をかけられた時には助けなさい」と教えられている。

 

深く考えさせられる。
振り返ると、人に迷惑をかけないのが当然であるなら、人に迷惑をかけられるのもいやになる。無意識にそう言う現場を避けて通りたくなるものだ。

 

では、インドの人たちが教えるように、迷惑をかけても仕方がない、その助けてもらった経験を生かして、迷惑をかけられた時にも助けてあげなさいと言う教え。前者と比べると器の大きい人間に見える。

 

あえて言わなくても良いが、迷惑を避けてしまう人は、器の小さい人間と言わざるを得ない。

 

ここで、
ぼくの経験談を一つ綴る。

 

ぼくは、ある日 車に乗って出かけていた。ガソリンが減っているのは分かっていたが、何となくの目算で、まだ走れると思っていた。しかし帰り際、まだ家からは遠いのにガス欠してしまい車が動かなくなってしまった。ぼくは心の底からガソリンを入れておけば良かったと後悔するも、後続車は当然の事、容赦なく迫ってくる。さらに最悪な事に、現場は右折レーンでの出来事。

 

とりあえずハザードをつけて、周りからジロジロ見られる中、何から手をつければ良いのかわからず、なぜか警察を呼ぼうとした。正しかったのか間違っていたのかは分からないが、なかなか電話に出てくれない。それは当然の事、焦りに焦っていたぼくは「191」と言う謎の番号にかけていた。初めての経験とは言え、我ながら焦りすぎている。

 

すると。
どこからともなく現れたおじさんが、「車押してあげるから、ハンドル握ってて!」っと叫んだ。ぼくは咄嗟に涙が出そうになった。スーパーマンが来てくれたのだ。車を路肩まで移動すると続けておじさんは、ガソリンを携行缶に入れて買ってくるように指示してくれた。幸いにも数十メートル先にガソリンスタンドがあったのだ。

 

携行缶とは、

f:id:TekuTekuLife:20210312132939j:image

ガソリンを入れるための缶。

ガソリンはプラスチックの容器では、プラスチックを溶かしてしまうため、専用の缶に入れる事が消防法で決められている。

 

そして無事、車にガソリンを入れられたぼくは、おじさんに深く感謝し、後日お礼をと連絡先を聞こうとすると、おじさんは「全然気にしないで!」と言い残し去っていった。よくあるセリフだが、心の中で「せめてお名前だけでもー!」と叫んでしまった。おじさんが走っていった方を覗くと、ハザードを付けて路肩に止めてあった大きな黒色の車に乗って走っていった。通り側に見つけたぼくのために、車を路肩に止め助けに来てくれたのだ。おじさんが来てくれなかったらどうなっていた事か。

 

着信履歴に連なる「191」をみると、人間はパニックになるとこうなるのかと、一人怖くなった。たぶんぼくだけの話。

 

そして大切なのはその後のぼくがどう変わったかだ。ぼくはその後の2度ほど、ガス欠になった車に遭遇した。幸い2台とも既に対処されている車ではあったが、本当に無意識に「どこに車を止めて助けに行けるか」と反応するようになっていた。

 

助けられた経験から、無意識に助けようと反応するのは、まさにインドの人が子供に教えようとしている事ではないだろうか。ぼくは実体験から、その教えが正しいと答える事ができる。

 

大切なのは「その代わりに、迷惑をかけられた時には助けなさい。」と言う言葉。

 

人生 誰にでも迷惑をかけても良い、だけでは少し違う。迷惑をかけてしまった時には、ただ申し訳ないと言う気持ちに終らず、助けてもらったのだから次は自分も助けてあげよう、が良いのではないだろうか。

 

メガネをかけたスーパーマン。

一生忘れる事はないだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最後まで読んでいただき

ありがとうございました。

 

毎日 19時に更新してますので、

また立ち寄ってください(^^)!

 

読者登録もよろよろで~す♪