人の気持ちが分かる人
基準となる物差しはないが、確かに 人の気持ちをよく察知する人と、あまり気にならない人がいる。もしかすると日本人は、前者が多いのかもしれないが、どちらでも良いだろう。
良し悪しではない。
これはただの人の特徴と捉えている。
苦手と感じる人もいれば、意識していなくても、手に取るように人の気持ちが伝わってきてしまう人。それが子供の頃からのものなのか、何かの出来事がきっかけとなったかは分からない。やはり、良し悪しではないのだ。
ただ、今回は人の気持ちが分かる人、ちょっとくらいなら普通分かるよって人の話。
実はこの力、場面によって変動するのだ。
そんな事は当然だと即答できる人は少ない。
一つ例をあげよう。
道を歩いてい信号のある交差点に差し掛かった時、信号を渡らずスマホを持ってキョロキョロしている女性がいたら何を思うだろうか。
きっと誰もが「道に迷っているのかな?」と同じ事を気づくはず。これは十分に人の気持ちが分かる人だ。
しかしもし仮に、
あなたが恋人との待ち合わせ時間に遅れそうで走っていたとしたら。さっきと同じように女性に対し「道に迷っているのかな?」と気づくだろうか。頭の中には、一緒に行くご飯屋さんの事や、その後見に行く映画の事で頭がいっぱい。女性の事など見向きもしないだろう。
またもう一つ、もし仮に、
あなたが悪さをして、後ろから警察に追われているとしよう。女性に対してどのような反応をするだろうか。おそらく「邪魔だな」っとイライラしてぶつかってしまうかもしれない。
他にも、
身内に不幸があってとぼとぼ歩いている時。仕事の内定を受け、早く親に伝えたくてワクワクしている時。
つまり一番初めに記した平常心の時と、喜怒哀楽によって平常心でない時とでは、人の気持ちを理解する力は変動するのだ。
始めに人の気持ちが分かりやすい人と、そうでない人に分けたが、誰でも人の気持ちが分かる時と分かりにくい時がある事を理解してもらえるだろうか。
実際に例を挙げてみると面白い。実のところ ぼく自身は、人並み以上に人の気持ちを察知してしまう人間だと思っていた。しかし、今の事を考えると、決して四六時中敏感なわけではない事に気付かされる。
平常心でない時は他にもある。
睡眠状態や興奮状態にある時だ。月曜の朝 母親が無理やり起こしてくる。「お母さんは、昨日ぼくが夜更かししたのを知ってて、寝坊しないように早く起こしてくれているんだな。ありがとう!」と起きられる人は少ないだろ。
普通、母親に感謝するどころか「うるさいな。もう少し寝かせろ」と思ってしまうはず。その時の感謝は家を出て冷たい風に当たり、平常心を取り戻した時に初めて「早く起こしてもらって遅刻しずに済んだ、ありがとう」と思うのではないだろうか。
もう一つの興奮状態。
もし街中に怪獣が現れたとき、誰もが自分の命を守るために必死に走るのではないだろう。そんな状況で怪獣の気持ちに気づき「怪獣さんもお腹が空いていて、子孫を残すために必死なんだな」なんて呑気に考える人はいない。
少々取り留めのない話で 何かここから教訓を得るのは難しいが、自分の行動が、自分の感情に任せた行動なのか、それとも、相手の気持ちを汲み取った上での行動なのか、少し意識するだけで、また一歩大人に近づけた気がする。
時に感情というのは、人を愚かにみせる。怒りだけに限らず、喜怒哀楽、どんな時にも自分を制する事のできる人間になりたい。
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